自動車を運転していると、聞く言葉である幅寄せ。
皆さんは、幅寄せと聞くとどのようなイメージを持ちますか?
実は「幅寄せ」という言葉には、さまざまな使い方があります。
意味も全く異なります。
今回は幅寄せの種類や幅寄せの仕方、注意点など、「幅寄せ」についてご紹介します。
もくじ
幅寄せとは
幅寄せには、2種類の意味があります。
- 駐車時に、車を元の位置から左右に寄せること
- 運転中に、並んで走る車に接近して走ること
幅寄せ(はばよせ)とは、自動車などの運転における行為の一つ。次の全く異なる二つの運転行為の意味で用いられる。
- 車両を少し前進・後退させ、元の位置から少し横に寄せる運転方法
- 車両を運転中に並走する他の車両等に接近して走行する行為
引用:wikipedia
状況によって意味合いが大きく異なります。
一つは、方向転換や車庫入れ駐車で停車したいところからずれた場合に調整することをいいます。
二つ目は、運転中に並走する他の車に接近して走ることや、駐車場で隣の車との間隔を極端に狭く駐車することも幅寄せと言います。
大きな事故につながるため、絶対にしてはいけません。
狭い駐車スペースに停める場合には、隣の車との間隔に気をつけなければ相手の迷惑になります。
「幅寄せされた」と思われ、トラブルにつながることも。
そのため駐車する際は周囲に気をつけなければいけません。
駐車時の幅寄せの仕方
前進して幅寄せする方法をご紹介します。
- 車を寄せたい方向へ、一杯にハンドルを切って前進
- 寄せたい位置に来たら、ハンドルを逆方向に一杯に切ってさらに前進
- 車体がまっすぐの位置に来たら止まる
- ハンドルを戻し、タイヤをまっすぐにする
- そのまま元の位置にバック
バックでの幅寄せの場合は、進行方向が逆になるだけで同じ動作ですが
- 前進とバックでは、ハンドルを切れる前輪の位置が変わる
- ドアミラーを見ながら、路肩との位置関係が確認できる
以上のことから、バックでの幅寄せの方がやりやすいでしょう。
駐車時の幅寄せのコツ
運転に慣れていないと、車両感覚をつかむのに苦労します。
車両感覚がないと駐車時に何回も確認をしないといけないため、幅寄せに対して苦手意識を持つこともあるでしょう。
上手く幅寄せをするためのポイントはこちら。
- タイヤと車体はまっすぐにする
- ゆっくり移動し、ハンドル操作は素早くする
- サイドミラーで確認する
ポイントを説明します。
タイヤと車体をまっすぐにする
まず前後の位置を合わせる前に、寄せたい位置の延長線上に前輪と車体がまっすぐになっていることが確認します。
最初はゆっくりでいいので、車体をまっすぐにすることを優先してください。
止まってからハンドルをまっすぐに戻してもいいでしょう。
ゆっくり移動し、ハンドル操作は素早くする
幅寄せは極力移動させる量を少なくしたいため、ハンドルを目一杯切る動作を頻繁に行います。
そのためスピードは極力落とし、ハンドル操作を素早く済ましましょう。
ハンドル操作が追いつかない時は、一度止まってからハンドルを切る方法もあります。
サイドミラーで確認する
幅寄したい場所に車体をうまく寄せるには、角度が正しく調整されたサイドミラーを活用します。
自分が今どの位置にいるかを把握できます。
交代時にサイドミラーが下がる車種であれば、後輪の位置や縁石なども把握しやすくなります。
幅寄せするときの注意点
幅寄せするときは車を前後左右に移動させる動作が必要のため、周囲のあらゆる情報を頭に入れておく必要があります。
幅寄せで注意すべきポイントをご紹介します。
タイヤばかり意識しない
前進で幅寄せする場合、タイヤの位置に意識が行き過ぎてしまい、バンパーなど前輪よりも出っ張っている部分を引っ掛けてしまうことも。
特に慣れない時は意識が一点に集中してしまいます。
思わぬところをこすってしまわないためにも、
- 車両の長さ
- 幅といった全体の感覚
これらの感覚は掴んでおく必要があります。
前輪の角度に注意
幅寄せは頻繁にハンドルを目一杯切る動作を行います。
そのためハンドルがまっすぐになっていると勘違いし、そのまま発進してパニックになることも。
- ハンドルの切る時はどれくらい回したかを頭に入れる
- わからなくなった場合は前輪を直接見て確認する
以上の点は注意するようにする方がいいでしょう。
事故に注意
幅寄せしたい場所の片側が縁石だったり、左右に駐車している車があったり、周囲の状況が悪い場面もあります。
短い距離で前進やバックを繰り返したり何度もやり直したりしていると、注意不足による事故につながることも。
左折時の幅寄せは危険なのか?
教習所では、運転中の左折時に巻き込み事故防止のために、手前で幅寄せをしなければいけないことを教わりますね。
幅寄せとは本来、ミラーや目視で確認できない死角にバイクや自転車が入り込まないようにする動作のため、安全上必要です。
しかしバイクや自転車からすると、逆にヒヤッとして危ないという意見も。
法律では左折をするときに幅寄せすることになっていますが、実際はほとんどのドライバーが周囲の確認だけで幅寄せをしていません。
そのため、一部の人が幅寄せを危険だと思ってしまっていると考えられます。
しかし、すり抜けに気づかずに巻き込み事故を起こすより、幅寄せで事前に事故を防ぐ方が大事です。
幅寄せで煽られた場合の対処法
「煽るつもりなどないのに、間違って幅寄せと思われた…」
初心者ドライバーだと、思いがけず煽られる場面は少なくありません。
万が一煽られた場合は、以下の対処をしましょう。
- 素直に道を譲る
- 無視して運転に集中する
もし自分が故意ではなくても相手を不快にさせてしまい煽られた際は、素直に道を譲りましょう。
煽られたからとスピードを出し過ぎてしまうと、大きな事故を引き起こしかねません。
もし事故を起こしたら自分だけではなく周囲にも迷惑をかかるため、余計なリスクを減らすために道を譲ることが賢明な判断です。
道を譲ってもわざと後ろに付きまとわれたり、道を譲れないほど狭かったりする場合は一旦後方車は無視しましょう。
自分の運転に集中し、空き地などのスペースを見つけたら停車してください。
悪質な煽り運転の対策におすすめなのはこちら。
- 車載カメラを設置
- 動画を撮影しておくこと
運転に自信のない人は、ドライブレコーダーなど記録が残るものを用意しておくといざという時のための備えになります。
ただし運転しながらの動画撮影は危険なので、無理はしないでくださいね。
まとめ
幅寄せといっても大きく意味が違ってきます。
駐車の際の幅寄せは、運転技術として出来るようになりたいですよね。
一方、走行中での幅寄せや隣の駐車している車への幅寄せはトラブルのもと。
運転技術だけではなく、ルールやマナーも守れる余裕を持って運転しましょう。