雨の日の運転は視界も悪くなり、運転に慣れている人でさえも事故を起こしやすい環境です。
- 雨の日の運転はなぜ危険なのか?
- 雨の時の運転はどこに気をつけるのか?
こちらを紹介していきます。
雨の日の主な事故
雨の日の運転は、視界が悪いだけではなく、路面も滑りやすくなっています。
晴れの日の運転よりも慎重に運転する必要があります。
雨の日の事故で最も多いのはスリップ事故。
スリップ事故は、様々なシチュエーションで発生します。
- 速度が高いままカーブに進入し、タイヤが滑ってしまうスリップ
- 急加速による直線でスリップ
- 濡れたマンホールの蓋や、金属製の道路の継ぎ目を乗り越えた際のスリップ
さらに雨の日は視界が悪いため、歩行者の見落としによる事故も発生しがち。
特に雨の夜の走行は極端に視界が悪くなります。
歩行者や自転車などの認識が遅れ、実際衝突するまで気がつかなかったというケースも存在します。
雨の日の運転時に注意するべき5つのこと
雨の日の運転は様々な危険がありますが、カーライフを送っているとどうしても雨の日に走行しないといけなくなることもありますよね。
そこで、注意するべきことは5つ。
- 雨は降り始めに注意
- 人に注意
- 制動距離が延びる事に注意
- ハイドロプレーニング現象に注意
- ガラスが曇ることに注意
順に説明しますね。
雨は振り始めに注意
実は雨の日は、降り始めの道路が一番滑りやすいといわれています。
その理由は、舗装されている道路に雨が降ると道路表面の汚れやホコリが浮き上がり、道路にオイルがまかれたような状態になるからです。
そのような状態で運転すると、急激に滑りやすくなる道路では、スリップ事故や衝突などが発生しやすくなります。
雨が降り始めた時は、特に気をつけて走行することが重要です。
人に注意
雨の日は特に人に注意しなければいけません。
雨の日は運転者の視界が悪くなること以外に、歩行者も傘をさしていたり、カッパを着ているため、歩行者側も視界が悪い状態となるからです。
さらに雨に濡れたくないために急いでいる歩行者は注意も散漫になるため、急に飛び出してくる危険性も。
雨の日の運転時に歩行者を見かけた際は、
- いつもより多めに減速する
- なるべく歩行者に気を遣って走行する
以上のことを心がけましょう。
制動距離が延びる事に注意
濡れた路面はもちろん滑りやすくなっていますが、雨の日は制動距離が伸びてしまいます。
ブレーキが効き始めてからタイヤが停止するまでの距離を「制動距離」といいます。
雨の日の制動距離は、タイヤの溝に影響される部分が大きいです。
タイヤの溝の深さが十分に残っていれば晴れの時と同じように停止できますが、タイヤの溝が減少していると排水が機能せず、停止のために多くの距離が必要となるからです。
そのため、雨の日は制動距離が伸び、完全に車が止まるまで時間が掛かるのです。
ハイドロプレーニング現象に注意
雨の日に高速走行をすると「ハイドロプレーニング現象」が発生します。
ハイドロプレーニング現象とは、濡れた路面を高速で走行した際に一時的に車体が浮いた状態になり、ハンドル操作やブレーキのコントロールができなくなってしまうこと。
本来雨の時などの水たまり走行時は、タイヤの溝を通して排水し、路面と接地することにより回転しています。
しかし、速度が上がりすぎると排水が追いつかなくなるのです。
そのためハイドロプレーニング現象は高速道路など、スピードが出る道路を走行すると起こりやすいです。
ハイドロプレーニング現象が起こったら
ハイドロプレーニング現象が起こると、残念ながら車の動きを制御することはできません。
そのため、発生した時は何もせずにスピードが落ちてグリップが自然に回復するまで待ちましょう。
タイヤがしっかりと地面に食い付いていることを「グリップする」といいます。
間違ってもハンドルを切ったり急ブレーキを掛けたりしないでください。
タイヤのグリップが回復した際に、余計に車の制御ができなくなってしまいます。
ハイドロプレーニング現象を起こさないためには
- 雨天時や水たまりがあると予想できるところでは高速で走行しない
- タイヤの溝の量や空気圧も定期的に確認する
早めに対策を行いましょう。
ガラスが曇ることに注意
雨の日は湿度によってガラスの内窓が曇りがちになります。
放っておくと、どんどん雲って大変危険な状態に。
雲り止めのなどのケミカル用品もありますが、すぐにできる対策は3つ。
- 窓を少し開け、外気温に近づける
- エアコンをかける
- デフロスターを利用する
詳しく紹介します。
窓を少し開け、換気をする
窓ガラスの内窓が曇ってくるのは、こんな時。
- 外の気温と車内の気温との差が大きい時
- 車内が湿気ている時
ガラスが曇ってきたら、窓を開けて外の空気を車内に取り入れましょう。
外の気温と車の中の気温差が縮まり、ガラスが曇りにくくなります。
「雨の中で窓を開けると、雨が入ってくるのでは?」という心配もあると思いますが、小雨程度なら、ドアバイザーが覆っている部分を開けるだけで大きく違います。
エアコンをかける
エアコンを作動させると、空気を循環させられます。
またエアコンには除湿効果もあります。
風をガラスに当てる設定にすることにより、効率よく曇りをなくせます。
デフロスターを利用する
フロントガラスが雲ってしまったら、空調パネル付近にある矢印が3本あるスイッチをONにしましょう。
デフロスターは、エンジンの排熱を利用して温風の流れを調整することにより、くもりを除去します。
雨の日を安全に運転する4つのコツ
雨の日に運転するコツは、以下の通り。
- ブレーキやハンドル操作はいつもより丁寧にする
- 自車の存在を周りに知らせる
- スピードを控えめにして走る
- 雨の量にあったワイパーのスピードをコントロールする
それぞれ紹介します。
1.ブレーキやハンドル操作はいつもより丁寧にする
濡れた路面は非常に滑りやすくなっているため、操作はいつもより丁寧に行いましょう。
マンホールなどの滑りやすい道はなるべくハンドルを切らずに、やり過ごしましょう。
2.自車の存在を周りに知らせる
雨天時は周りが暗く、さらに雨の影響で視界も悪い状態です。
歩行者も下を向いて歩いていることが多く、周りに気付くのが遅くなりがち。
ヘッドライトを早めに点灯し、周囲に存在を知らせましょう。
3.スピードを控えめにして走る
スピードを抑えることで、タイヤのスリップやハイドロプレーニング現象が起こるリスクを大幅に減らせます。
スピードを控えめにすると、視界が悪い中で歩行者の発見が遅れた際にも対処できる利点もあります。
4.雨の量にあったワイパーのスピードをコントロールする
急に雨量が多くなると、視界が一気に悪くなります。
雨量が多い時にはワイパーのスピードを上げましょう。
反対に雨の量が少なくなると、ワイパーが煩わしく思うことも。
ワイパーのスピードは調整できるため、雨量に応じてこまめに使い分けるようにしましょう。
まとめ 雨の日の運転は注意するべきポイントを抑えよう
「雨の日の運転は怖いもの」と思うのは悪いことではありません。
怖い時はとにかくスピードを落として走行しましょう。
「何かあった時にすぐに止まれる」ということが頭に入っていると気持ち的にも楽になります。
どうしても怖い場合は思い切って運転しないようにすることも頭に入れておくと良いでしょう。
雨の日の走行はリスクも大きいですが、注意するべきポイントを抑えれば安全に走行できます。
最新の注意を払い、安全に運転しましょう。